賃貸用アパートのうちの1棟を譲渡して住宅を購入した場合の借入金利子

賃貸用アパートの借入金利子について

私は、賃貸用マンションを5棟もっています。

 

すべて借入金で取得したものですが、
そのうちの1棟を譲渡して、
その代金で居住用家屋を新築しました。

 

この場合、譲渡したアパートの借入金の利子を、
他の4棟からの不動産所得の必要経費にできますか?

アドバイス

譲渡後の借入金の利子は、
必要経費にはできません。

事業者が業務用の資産を取得するために借りた借入金の利子は?

事業者が業務用の資産を取得するために借りた
借入金の利子は、必要経費になります。

私の場合はどうなりますか?

ご質問の場合、業務用のアパートを譲渡していて、
借入金の利子を必要経費にできる前提としての
業務用資産が存在しないことになります。

 

これは、譲渡代金を他の固定資産にあてた場合には、
その借入金を譲渡代金で返済し、
新たな借入金で他の資産を取得したのと同じ結果になりますので、

 

譲渡日の借入金残高のうち、
譲渡代金と新たに取得した固定資産の取得価額と比べて
低い方の金額を、

 

新たに取得した固定資産の取得にあてられた
借入金とするのが合理的と考えられます。

 

よって、居住用家屋の取得にあてられた借入金の利子で、
譲渡後に支払うものは、
家事費になりますので、必要経費にはできません。

 

仮に、新たな固定資産の取得にはあてられなかった借入金の利子や、資産を取得しないで借入金の返済にあてたが、借入金の全額返済までには至らなかった場合はどうなりますか?

その場合は、マンションの売却行為が
不動産賃貸業としての業務を
拡張(縮小)する行為の一環と認められる場合等、

 

その人の諸事情を総合勘案した結果、
不動産賃貸業が継続していると判断できる場合については、
不動産所得の計算をする上で、
必要経費にするのがよいと思われます。

 

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