個人事業廃止後に、売掛金が回収不能になった場合の貸倒損失について
私は、一昨年、卸売業を廃業しました。
廃業時に売掛金３００万円が残っていましたが、
今年４月１１日に得意先が倒産したので
２００万円が回収不能になりました。
この場合の貸倒損失は、どのように取り扱われますか？
■所得は次のようになっています。
○一昨年 事業所得の金額 ： ２３０万円 、 短期譲渡所得の金額 ： △８０万円
○昨年 事業所得の金額 ： ４００万円
アドバイス
更正の請求により、
一昨年か昨年の事業所得の必要経費になります。
個人事業を廃止した後に必要経費が生じたときは？
不動産所得、事業所得、
山林所得を得られる事業を廃止した後に、
その事業上の必要経費が生じたときは、
事業を廃止した年※1か、その前年の必要経費になります。
ご質問の場合、貸倒れになった２００万円は、
昨年の事業所得から１５０万円を差し引くことができます※2。
昨年分で控除しきれない５０万円は、
一昨年の事業所得から差し引けます。
※1.この年にこれらの所得の総収入金額がなかった場合は、総収入金額があった最近の年になります。
※2.総所得金額と事業所得の金額とで、どちらか少ない方の金額が限度額だからです。
更正の請求はできるのですか？
特例により、貸倒れ等の生じた日の翌日から、
２ヵ月以内であればできます。
よって、本年の６月１１日まで、
昨年と一昨年の更正の請求ができます。
消費税はどうなりますか？
課税事業者が事業を廃止した後に、
課税事業者だった期間の
課税資産の譲渡等に係る売掛金等に貸倒れが生じた場合でも、
貸倒れに係る消費税額の控除等の適用はありません。
また、更正の請求もできません。
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