開業準備期間中の広告宣伝費の取扱いについて
私は、今年の4月に個人スーパーを開業しました。
これに伴い、開業準備期間中に使用人の給与、
広告宣伝費、旅費交通費、電気ガス水道料、建物の賃借料、
借入金の利子などの費用がかかりました。
開業するまでのこれらの経費は、どのように処理したらよいのでしょうか?
アドバイス
これらの費用は、
すべて繰延資産の開業費として処理してください。
開業費とはどのようなものですか?
繰延資産の開業費は、
個人事業を開始するまでに
特別に支出する費用のことをいいます。
法人税と所得税の取扱いの違いは何ですか?
法人税法では、使用人の給与、電気ガス水道料、
建物の賃借料、借入金の利子などの
経常的な性格をもった費用は、
開業費には含めないとされています。
しかしながら、所得税法では、
これら経常的な性格をもったものでも、
その支出が、開業準備のために特別に支出されたもので、
資産の取得費用や前払費用にならない場合には、
繰延資産に計上することになっています。
実際の計算はどうなりますか?
開業費は、次の算式で計算した金額を
償却費として必要経費に算入します。
ちなみに、確定申告書に記載することを要件として、
任意償却も認められています。
開業費の額×12(または業務をした期間の月数)/60=その年分の償却費
消費税はどうなりますか?
課税仕入れ等の対象になるものを支出した場合は、
その課税期間の課税仕入れになります。
なお、新規開業した場合は、
原則的として納税義務が免除されるので、
仕入税額控除を受けるためには、
「課税事業者選択届出書」
を開業日の属する課税期間の末日までに提出する必要があります。
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