業務中に交通事故を起こしてしまったときの損害賠償金は必要経費にできますか?

業務中に交通事故を起こしたときの損害賠償金は必要経費にできますか?

私は、個人で運送業を営んでいます。

 

先日、配達中に交通事故を起こしてしまい、
相手の方に入院治療費20万円、
慰謝料40万円を支払うことで和解しました。

 

このような場合、これらの費用を必要経費にできますか?

アドバイス

業務中の交通事故は、
事故を起こしたことについて
故意または重大な過失がなければ、
必要経費にできます。

損害賠償金などは必要経費にできるのですか?

業務を行なっている上で生じた損害賠償金※は、
原則として必要経費にできます。

 

ただし、
故意または重大な過失によって支払う損害賠償金や、
家事関連費としての損害賠償金は、
必要経費にできません。

この場合の損害賠償金はどのようなものをいうのですか?

損害賠償金には、慰謝料、示談金、見舞金など、
他人に与えた損害を補てんするために支出する
すべての費用が含まれます。

では、私の場合も必要経費にできそうですね?

はい。

 

ご質問の場合の交通事故は、
業務を行なっているうえで起こったものですので、
事故を起こしたことについて、故意または重大な過失がなければ、
損害賠償金を必要経費にできます。

 

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この「重大な過失」の判定はどのようにするのですか?

重大な過失があったかどうかは、
その人の職業や地位、加害当時の周囲の状況、
侵害した権利の内容、取締法規の有る無しなど、

 

具体的な事情を考慮して、
その人が払うべきだった注意義務の程度を判定し、
不注意の程度が著しいかどうかで判定することになっています。

重大な過失となってしまうのはどのような場合ですか?

次の場合は、特別な事情がなければ、
重大な過失があったものとされます。

●自動車などの運転者が、無免許運転、スピード運転、よっぱらい運転、信号無視、その他道路交通法の運転者の義務に著しく違反すること、または、雇用者が超過積載や整備が不良な車両の運転の指示をしたり、道路交通法の使用者の義務に著しく違反することによって、他人の権利を侵害した場合

 

●劇薬や爆発物をほかの薬品や物品と誤認して販売したことによって、他人の権利を侵害した場合

消費税はどうなりますか?

損害賠償金は対価性がないので、
課税仕入れにはなりません。

 

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