夫婦共有のマンションを貸し付けている場合、母を事業専従者に…
私は、妻と共有のマンションを持っていて
それを貸付けている白色申告者です。
このマンションは全部で15室あり全室貸しています。
また、私たちと生計をともにしている母が、
マンションの管理等をしていますので、
事業専従者にしたいと思うのですが、
この場合、私と妻の両方の所得について
事業専従者控除の適用が受けられるのでしょうか?
アドバイス
まず、あなたと奥様が行なっている不動産貸付けは、
どちらも事業的規模の貸付けにあたると思われます。
そして、事業専従者控除ですが、
こちらは、どちらか一方だけの適用になります。
事業的規模かどうかの判定基準はどのようになっているのですか?
通常、建物の貸付けが
事業として行われているかどうかについては、
所得税の基本通達が参考にされますので、
そちらをまずご紹介します。
【参考】 26-9 (建物の貸付けが事業として行われているかどうかの判定)
建物の貸付けが不動産所得を生ずべき事業として行われているかどうかは、
社会通念上事業と称するに至る程度の規模で
建物の貸付けを行なっているかどうかにより判定すべきものであるが、
次に掲げる事実のいずれか一に該当する場合
又は賃貸料の収入の状況、貸付資産の管理の状況等からみて
これらの場合に準ずる事情があると認められる場合には、
特に反証がない限り、事業として行われているものとする。
(1)貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10以上であること
(2)独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること
ということで、よく5棟10室なんて言い方をしています。
では、共有の場合はどうなるのですか?
事業的規模かどうかの判断は、上記のとおりなのですが、
共有の場合については、全体で判定するのか、
それともあん分するのかということが問題になります。
ただこの場合は、
全体の室数等を基準に判定して差し支えないと思われます。
ご質問の場合も、特に反証がなければ
両者とも事業的規模の貸付けにあたることになります。
母を2人の事業専従者にするのはどうですか?
まず、事業専従者についてですが、
事業専従者であるためには、
年間を通じて6か月をこえて従事する必要があります。
ということは、
仮にあなたの事業専従者として6か月をこえて従事すると、
必然的に奥様の方は6か月未満になってしまいますので、
事業専従者にはなれないことになります。
ですから、お母様は、あなたたち夫婦のいずれか一方しか
事業専従者控除の適用を受けられないということになります。
関連ページ
- 従業員の夜間大学の授業料は非課税になりますか?
- 内科医である私の妻が、同じ場所に薬局を開業したのですが、その所得は妻の所得として申告できますか?
- 子供に支払った給料は必要経費になるのですか?
- 息子を従業員として雇った場合の給料は必要経費になるのですか?
- 妻の給料が私の所得より多くなった場合でも、妻の給料を必用経費にしてよいのですか?
- 赤字にしたくないので青色専従者給与を必要経費に算入しないことにしても構いませんか?
- 不動産所得と事業所得からの青色専従者給与はどのように分けたらよいのですか?
- 妻が週1日ほかで働いている場合でも、妻の給与を必要経費にできますか?
- 妻の専従の期間が6ヶ月以下でも、妻の給与を必要経費にできますか?
- 中途退職した息子を青色事業専従者にできますか?
- 年の途中から青色事業専従者給与の額を変更できますか?
- 妻の病気療養中に支払った給与は必要経費にできますか?
- 青色事業専従者に支給する通勤手当は必要経費にできますか?
- 妻への未払い給与は必要経費にできますか?
- 息子に支払った退職金は必要経費にできますか?
- 法人成りした後の個人事業分の退職金は法人と個人のどちらのものになるのですか?
- 夫が亡くなった場合でも、控除対象配偶者になれますか?
- 青色事業専従者の妻を配偶者控除の対象にできますか?
- 青色事業専従者だった娘を夫の配偶者控除の対象にできますか?
- 青色から白色になった場合、妻を事業専従者控除か配偶者控除の対象にできますか?
- 離婚していて事業専従者の息子がいるのですが、寡婦控除は受けられますか?
- 事業専従者が事業主を扶養親族にすることはできますか?
- 2つの事業からの青色専従者給与はどうやって分けたらいいのですか?